『クロエの告白』
水浴びのあと、折れた剣を片手にして。
クロエ「わたしはなんでもできる。あなたと、アルテナのためならば」
キリカ「……」(それって…!)
クロエ(じいっ)(真摯なまなざし)
キリカ「………」(それって、もしかしてさりげなく愛の告白…!)
クロエ(じい〜〜っ)(熱いまなざし)
キリカ「…………」(しかも直球…!)
クロエ(じいい〜〜〜っ)(思い切って言ってしまったのを後悔するように赤面)
キリカ「…………っ」(同じく赤面)
クロエ&キリカ「………………」(どきどきどきどき…)
クロエ、キリカに向きなおる。
キリカ「あの!」
クロエ「はい?」
キリカ「そ、そういうことは、その… 服を着てから言ってください…」
クロエ「っ!」
クロエ、いそいそと服を着る。
クロエ「コホン、では… わたしはなんでもでき」
キリカ「最初に戻らなくていいから…」
クロエ「え──っ?」
クロエはちょっと残念そうだったが、キリカは恥ずかしいのでスタスタ歩き出す。クロエ、しかたないので後に続く。
足早に歩きながらキリカはさっきのクロエの告白を反芻していた。
(あなたはなんでもしてくれる…わたしとアルテナのためならば…
なんでも…なんでも…?
思わず願いが心に浮かぶのを止められなかった。
あなたたちだけだ…
わたしにたくさん触れてくれるのも…微笑んでくれるのも…
こんなにさびしくない気持ちになったのも…抱きしめてくれるのも…
これからもそばにいて…
ずっとこわがらないで…
ずっと嫌わないでいて…
クロエ…
アルテナ…
あなたたちは、わたしがここに来て、あなたたちに迎えられてどれだけ嬉しかったか知ってるのだろうか?
どんなに…どんなにか…
いや、きっと知らないだろうな。
クロエにそれを伝えたらどんなに喜んでくれるだろう。
でも…今はまだ恥ずかしいから…
だから、もうちょっと、もうちょっと黙っていよう。
もう少し経ったら言えるから…
だからもう少し待っていて。
今はただこのままで……)
アルテナは聖堂で既に待っていた。
「あなたにこれを返しておきましょう」
そして…暗黒回帰、グラン・ルトゥールへ。
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