『アルテナの趣味』


夜、書斎でろうそくの灯りの照らす中、
キリカは一人でソルダの原本を読んでいた。
後ろの戸口に気配を感じ、思わず緊張する。
トン、トン、トン、タン。
肩にそっと手が置かれる。
隣の席にアルテナが座った。

キリカ「……?」
アルテナ「いいのですよ、
  気にしないで続きを読んでください」
キリカ「……」

キリカは本を読み続ける。
ふと、頭にアルテナの手が優しくかかるのを感じる。

キリカ「……?」
アルテナ「少し…頭をなでさせてもらえますか?」
キリカ「……」

なでなで。
アルテナは微笑みながらキリカの頭をなでる。

こそばゆさを感じながらも、キリカは本を読み続ける。

ソルダの両手は二人の乙女

なでなで。

罪を背負いつ 慈愛もて 差し伸べられる漆黒の手

なでなで。

…ノワール

なでなでなでなで。

キリカ「あの…」
アルテナ「はい?」
キリカ「そろそろ…」
アルテナ「ん… もう少しだけ… だめでしょうか?」
キリカ「いえ… …… ……だめではないです」

なでなでなでなで
なでなでなでなでなでなでなでなで
なでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなで

戸口の影にボルヌとマレンヌが
息を潜めて立っている。

マレンヌ(ボルヌ、あなたから入ってください)
ボルヌ(あなたこそ… い、いまは…)

二人とも分かっている事は唯一つ、今はこの部屋には入れないという事だった。


あの…






なでなで×100








〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

クロエにはいつもいつも色々と思いがけないお願いをされて困ってしまっているアルテナですが、
キリカと二人きりなら、アルテナはキリカに対してはけっこう積極的なのではないかと思います。
後ろから抱きついたりしてるし。
というわけでこんなネタを漫画にしたいと思ったり。
以前に同じようなネタをやってます(笑  『もう少しこのままで』

あの時の朗読黒キリカに「はああっ」と目をきらきら輝かせてめちゃ嬉しそうな素の笑顔になって「ふっ」と微笑み、
トントントンタンと後ろからキリカに手を回して抱きついちゃう意味不明なアルテナが可愛すぎます。
アルテナ様、あなたグランルトゥール忘れてませんか?
黒キリカが以前の自分を取り戻しつつあり、自分の信じるグランルトゥールにまた一歩近づいたという喜びもあれど、
それにしてはアルテナ喜びすぎ。なんなんですかあの笑顔は?
座ってるキリカを後ろから抱きしめて「よく帰ってきてくれました」 …なんでその一言、そんなに想いが込められてるですか?
喜びと安堵と切なさと… アルテナときたらもう…

そしてキリカに「ア、アルテナ!」と呼び止められて、なんでそこでそんなに驚いてるんですか!?
今の今までよく抑制された穏やかな笑みを浮かべていたのに、

なんでそこで

はっ!?

こんな顔になっちゃうんですか? 
アルテナ驚きすぎ。
反則です、その素の無防備な驚きの顔は。
関連ネタは 『おやすみなさい』  ですね。

というわけで黒キリカを可愛がったり黒キリカに呼びかけられて度を失ってしまうアルテナも可愛すぎるので、
『なでなで』ネタを今度漫画にします(笑

でも「照れるアルテナ萌え」の発想って、案外アルテナのこういうお間抜け素顔から来てたりしませんか?
ああいう驚きすぎなアルテナの内面を推し量ると、アルテナが無意識に望んでいる事が見えてきたりこなかったり。


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