『おまじない』




体調を崩したアルテナをかいがいしく看病するクロエ
スープの入った器を持ってアルテナの部屋へやって来る

クロエ
アルテナ
クロエ

クロエ
アルテナ
クロエ


アルテナ

クロエ
アルテナ
クロエ
「アルテナ スープを作りました」
「ありがとう クロエ」
「熱いから冷ましましょう」
(スプーンでスープをすくうと息をかけ冷まし アルテナの口元へと運ぶ)
「アルテナ 口を開けてください」
「・・・・私は自分で食べられます」
「あの子とあの子のお友達がこうしているのを見ました」
「あの子に看病されたコルシカの娘はすぐに元気になったので きっと早く治るおまじないです」
「私はアルテナに元気になってもらいたい だからお口を開けてください」
「・・・・・」
(躊躇いがちに口を開けるアルテナにスープを飲ませるクロエ)
「味はどうですか?」
「美味しいわ クロエ」
「良かった 一杯食べて早く元気になってください」(スプーンを差し出しニッコリ)

抵抗しても無駄だと悟り 困惑しながらも大人しく食べさせてもらうアルテナ
『おかわり』と言う名の試練が降りかかるのはこれからしばらく後の事だった・・・・



試練を越えて力尽きたアルテナが横になるとその額に濡らしたタオルを乗せ
クロエは更なる試練を口にする

クロエ
アルテナ
クロエ


アルテナ
クロエ
アルテナ
「アルテナが眠るまで 私が歌を唄います」
「・・・クロエ 私は子供では無いのですよ」
「私が幼い頃 アルテナは眠る前に唄ってくれました」
「アルテナの唄を聞くと とてもよく眠れたので私もアルテナに唄いたい」
「それとも・・・私の唄では眠れないでしょうか?」(アルテナを覗き込む)
「いいえ そのような事はありません」
「では 唄っても良いですか?」
「・・・・・ええ 良いわ クロエ 唄ってちょうだい」

先程からの会話で熱が上がったのか諦めたように目を閉じたアルテナの傍らに座ると
毛布を整え 昔聞かせてもらった曲を唄い出す

何曲も唄わぬうちにアルテナは静かな寝息を立て始める
それを見るとクロエは唄うのを止め そっと髪にふれる
起きない事を確認し 微笑みを浮かべるとクロエは優しくアルテナの髪を撫で始めた








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歩さんよりSS『おまじない』を頂きました。

アルテナをかいがいしく世話するクロエ、
クロエにかいがいしく世話されるアルテナ。
すなわち餌あげクロエに雛鳥アルテナ。
そして「静かなララバイ 歌う淡い横顔」を思い出してしまいました。
アルテナはクロエに子守唄を唄われ、見守られながら安らかな眠りに落ちてゆく……

歩さん、このたびも萌え萌えな素晴らしいSSを贈って頂き、どうもありがとうございました。

また、挿絵を描かせて頂きました。
『おまじない』 (挿絵を付けさせて頂いたバージョンです)


また、以前このお話を元に絵 「おくちあ〜ん」 を描かせて頂きました。


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