『無邪気』




椅子に座り読書をしているアルテナの後ろに静かに近寄るクロエ
気配に気付き本から視線を上げるとアルテナは振り向きかける



クロエ
アルテナ
クロエ
アルテナ
「アルテナ 振り返らないでください」
「どうしたのですか?」
「そのままでいてください」
「分かりました」

後ろに立つとクロエは両手でアルテナに目隠しをする



クロエ
アルテナ
クロエ
アルテナ
クロエ


アルテナ
クロエ
アルテナ
クロエ
アルテナ
「だ〜れだ」
「・・・・・・・・」
「だ〜れだ」
「・・・・・・クロエ 何をしているのですか?」
「当たりです アルテナ」(手を外すとそのままアルテナに抱きつく)
「あの子とあの子のお友達がこうして遊んでいるのを見ました」
「とても楽しそうだったので 私もアルテナとしてみたかったのです」
「そうだったのですか」
「次はアルテナの番です 私に目隠しをしてください」
「・・・・・私がするのですか?」
「はい 私も当ててみたいです」(純粋な笑顔)
「・・・・・・・・・」

アルテナは椅子から立ち上がるとクロエの後ろに行き
やや躊躇したのち両目にそっと手を当てる



アルテナ
クロエ
アルテナ
クロエ
アルテナ
クロエ
アルテナ
クロエ
「これで良いのですか?」
「はい アルテナ 『だ〜れだ』と言ってください」
「・・・・・・それを言わなければならないのですか?」
「はい そういう決まりなのです」
「・・・・・誰でしょう・・・」
「違います アルテナ 『だ〜れだ』です」
「・・・・・・・・・・・・だーれだ・・・・」(かなり抵抗があるのか小声で言う)
「アルテナです!」



そう答えると嬉しそうに振り向き 抱きついてくるクロエを
アルテナは少し困ったように微笑みながら優しく抱きしめる その頬は僅かに染まっていた


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