刺客不在acte1 の続き




NOIR第12.5話   刺客不在 acte2




クロエがパリに出かけた日の午後。

窓から遠く外を見やるアルテナ。
すると葡萄畑の向こうまで延々と続く道の彼方に人影が見えた。

アルテナ
ボルヌ




トリスタン
ボルヌ
アルテナ



トリスタン


マレンヌ
トリスタン
ボ&マ
トリスタン




アルテナ
トリスタン


アルテナ

トリスタン
「クロえん!? 帰ってきてくれたのですね!?」
「いや、そんなはずは……?」




「……以上が頼まれていた品でございます」
「ごくろうさまです」
「ありがとうございます…… 
 ………… 
 ……………………
 ………………………………」
「……? 
 アルテナさまはどうかなされたのですか?」
(小声でマレンヌに聞く)
「ちょっとね、クロエがおつとめに出かけてしまったのですよ」
「ああ、パリでございますね!」
(うわ!)
「クロエさま、あの方達にお会いできるのを
 とても楽しみにしてらっしゃいましたなあ。
 そうですか、クロエさまはパリですか。
 今頃は迷子になったり、
 フォークをカツアゲしたり」
「……」
 そのフォークをくれた可愛らしい娘さんと
 運命的な恋に落ちてたりなどしてるかも。
 うはは、うわっはっはっは!」
「……(泣
 ト、ト、ト……トリスたんのバカァ!!」
「ガ────ン!」


(後日、村に訪れた霧香にトリスタンは語るのだがこれはまた別のお話)
霧香
トリスタン
霧香
「アルテナ……ですね」
「はい。あの方は荘園で中世の暮らしを守りながら、儀式の時を待って……ププッ……おられます」
「……?」




クロエがパリに出かけてから二日目の午後。

「こんにちわー、こんちにわー」
森閑とした荘園の建物に幼い頃のミレイユにとてもよく似た金髪の
少女の声が響き渡る。

マレンヌ

少女
ボルヌ
少女

ボルヌ
少女
マレンヌ




アルテナ
少女
アルテナ
少女



アルテナ
少女
アルテナ
少女
アルテナ
少女

ボ&マ
「あら、クロエは今日は出かけていますよ。
 聞いていませんでしたか?」(優しく)
「はい、聞いていました」
「では、どうして……?」
「私、クロエちゃんに頼まれたの。
 慈母様達の事、よろしくって」
「頼まれたとは、いつですか?」
「クロエちゃんが村を通った時」
「そうだったのですか……」

アルテナ想像
『アルテナの事、お願いね。アルテナの事。アルテナの……』

「〜〜ちゃん!」
「は、はい!?」
「今日から貴女は、クロえんです!」
「ええっ!?」

(着替え中につきしばらくお待ちください)

「うふふ、似合いますよー、クロえん!」
「〜〜でふぅ」
「でーも! クロえんなのです!」
「そ、そうですかぁ?」
「そーなのです!」
「ふ、ふぁーい」

(アルテナが、アルテナが壊れた……)

少女と一緒に葡萄を摘むなどして戯れるアルテナ。
少女も緊張しつつも慣れない作業を慈母と共に楽しむ。

しばらくして少女の母親が迎えに来ると、
少女は初めて満面の笑みを浮かべ、
母の名を呼びながら母親の元に駆け寄っていく。

黙って見つめるアルテナ。
そっとアルテナの肩に手を置くボルヌ。




その日の夜。




リリリリリーン!!







電話の音を聞いてボルヌとマレンヌも寄ってくる。

ボルヌ
マレンヌ
「どうですかそちらは?」
「元気にやってますか?」



4人はしばらく時を忘れて歓談する。

マレンヌ
ボルヌ
(よかったですね、アルテナ)
(まあ、嬉しそうで何よりです)

そして……

























翌日。
ボルヌとマレンヌは朝早く別の仕事の為荘園を出立する。
一人荘園に残されたアルテナ。そして……

「アルテナ──っ!」
「え……?」

振り返ると目に飛び込んできたのは、
息をはずませつつ満面の笑みを浮かべ、アルテナの名を呼びながら
葡萄畑の小道をこちらに向かってものすごい勢いで走ってくる紫の髪の
少女だった。

プルプル

プルプルプルプル

…ピタッ

「……クロエ♪」


二人は回転抱きつきの後、ひしと抱き合う。

「おかえりなさい」
「ただいまぁ」




おかえりなさい私の愛しいクロエ


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