刺客不在acte1
の続き NOIR第12.5話 刺客不在 acte2 クロエがパリに出かけた日の午後。 窓から遠く外を見やるアルテナ。 すると葡萄畑の向こうまで延々と続く道の彼方に人影が見えた。
(後日、村に訪れた霧香にトリスタンは語るのだがこれはまた別のお話)
クロエがパリに出かけてから二日目の午後。 「こんにちわー、こんちにわー」 森閑とした荘園の建物に幼い頃のミレイユにとてもよく似た金髪の 少女の声が響き渡る。
少女と一緒に葡萄を摘むなどして戯れるアルテナ。 少女も緊張しつつも慣れない作業を慈母と共に楽しむ。 しばらくして少女の母親が迎えに来ると、 少女は初めて満面の笑みを浮かべ、 母の名を呼びながら母親の元に駆け寄っていく。 黙って見つめるアルテナ。 そっとアルテナの肩に手を置くボルヌ。 その日の夜。 |
電話の音を聞いてボルヌとマレンヌも寄ってくる。
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4人はしばらく時を忘れて歓談する。
そして…… |
翌日。 ボルヌとマレンヌは朝早く別の仕事の為荘園を出立する。 一人荘園に残されたアルテナ。そして…… 「アルテナ──っ!」 「え……?」 振り返ると目に飛び込んできたのは、 息をはずませつつ満面の笑みを浮かべ、アルテナの名を呼びながら 葡萄畑の小道をこちらに向かってものすごい勢いで走ってくる紫の髪の 少女だった。 プルプル プルプルプルプル …ピタッ 「……クロエ♪」 二人は回転抱きつきの後、ひしと抱き合う。 「おかえりなさい」 「ただいまぁ」 おかえりなさい、私の愛しいクロエ |