『静寂に包まれて知る事』




キリカ
アルテナ
「別に好きとか 愛してるとか そんなのじゃないから!!」
「・・・・・・・・・」

無言のアルテナを不審に思い 振り向くキリカ
そこには赤くなり 口元に手を当て うつむいているアルテナの姿が

キリカ
アルテナ
キリカ
アルテナ
キリカ
アルテナ
「・・・アルテナ?」
「・・っ!」(少し驚き 顔を上げる)
「どうしたんだ?」
「・・・・・いえ・・・別に・・・・」
「・・・・・・・・もしかして・・・・はじめて・・・だったのか?」
「・・・・・・・・・・・・・・」

更に頬を赤く染めると 微笑み 微かに頷く

キリカ
アルテナ
キリカ
アルテナ
キリカ

アルテナ
キリカ
アルテナ
キリカ
アルテナ
キリカ
「・・・・・そう・・だったのか・・・・・ごめん・・・」
「謝らなくても良いのよ」
「・・・・・・・・嫌だったか?」
「・・・いいえ」
「・・・そうか・・・」
「・・・・・アルテナ」
「はい」
「・・・・・その・・・」
「なぁに?」
「・・・・・・・・・・嬉しかったか?」
「・・・・・・・・・・・・ええ」
「・・・・そうか・・・良かった」

−しばし沈黙−

アルテナ
キリカ
アルテナ
キリカ
アルテナ
キリカ
アルテナ

キリカ
アルテナ
キリカ
アルテナ
キリカ
アルテナ
キリカ
アルテナ
「・・・・・キリカ・・」 
「・・・・・アルテナ・・」
「・・どうしたの?」
「・・・アルテナから・・先に・・・」
「・・・・・・何故・・くちづけをしたのですか?」
「・・・・・・・・・分からない・・」
「・・・そう・・」
「キリカ あなたは何を言いかけたの?」
「・・・・・・もう一度・・・」
「・・?」
「・・・・・・・・しても良いか・・?」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・はい」
「・・じゃあ 目を閉じて・・・・」
「・・・分かりました」

目を閉じたアルテナの肩にキリカの手が置かれ
衣擦れの音と共に肩に重みが掛かり 顔に髪がふれる
辺りが静寂に包まれ 自分の鼓動が常より早い事を意識するアルテナ
先程は気付かなかったやわらかな感触が去り 目を開けると キリカが見上げている

顔を赤らめ見詰め合う二人の間にほんわかムードが漂う
互いに言葉がでず訪れた沈黙を足音が破り クロエが姿を現わす

クロエ



アルテナ
キリカ
クロエ

アルテナ

クロエ

アルテナ
クロエ
「こんな所にいたのですね 探してしまいました」
「・・バックに点描がとんでいます」(はわはわするアルテナとキリカ)
「何があったのですか? 私にも教えてください」(まぶしい笑顔アタック!)

「・・・・・・」
「・・・・・・」(赤くなり顔を見合わせる)
「・・?」

「・・・クロエ 私達を探していたと言っていましたが
用事があるので探していたのではありませんか?」
「あっ そうでした」
「ボルヌからアルテナとキリカを呼んで来るようにと頼まれました」
「では ボルヌを待たせてはいけませんね」
「はい ボルヌはテラスにいます では 行きましょう」

歩き出すクロエ その後ろを付いて行きながらキリカは小声でアルテナに話しかける

キリカ
アルテナ
キリカ
アルテナ
キリカ
アルテナ

クロエ
キリカ
クロエ
アルテナ
キリカ
アルテナ
キリカ
クロエ
「・・・さっきのアレ・・クロエには内緒にしておかないか?」
「秘密・・ですか?」
「うん」
「分かりました」
「・・・・約束だぞ」
「はい」

「どうしたのですか?」
「・・なんでもない」
「・・?」
「三人でテラスまで競走をしたら誰が一番になるか話していたのよ」
「・・ぇ・・・」
「そうでしょう?」(少しいたずらっぽく微笑む)
「ぁ・・・うん」
「かけっこですか? では 誰が一番早いか試してみましょう」(笑顔)

アルテナの合図で走り出す三人 ほぼ同時にボルヌの元へたどり着くと笑い声がもれる


・・・その日の夜 私室でボルヌからお説教を延々聞かされるアルテナの姿があった

ボルヌ


アルテナ
「廊下を走ってはなりませんよ アルテナ」
「あなたは私達の盟主であり 小学生ではないのですから」
「聞いているのですか アルテナ?」
「・・はい」







────────────────────
歩さんよりSS『静寂に包まれて知る事』を頂きました。
このお話は私が以前に描いた絵『不意打ち』 の続きになっています。

ふぁ、ふぁーすとキス……
アルテナ、心臓どっきんどっきんですね。
なぜキリカはそこで「もう一度」なのですか?
そしてなぜアルテナもOK?
やわらかな感触ってどんななのでしょうか?
それはゆっくりと確かめられたのでしょうか?
さまざまな疑問の答えは顔を赤らめて見つめ合う二人だけの秘密なのかもしれません(笑
妙にやる気を出した積極的なキリカと、そのキリカを受け入れるおとなしいアルテナが萌え萌えです。
優しくて静かな、やわらかいキス。それは、アルテナと、そしてキリカに
思いがけず訪れた暖かい安らぎのようにも感じます。
そして沈黙を破って乱入するクロエも素敵です。アルテナとキリカはもう心臓バックンバックン。
なぜかキスの事をクロエに秘密にしておきたいキリカ。いたずらっぽく微笑むアルテナ。かけっこする三人。
……とてもとても萌え萌えです。
そして最後にボルヌに叱られてショボーンな盟主アルテナ様が……
荘園といえどもやはり廊下は走ってはいけないのでしょうか(笑
歩さん、このたびは『不意打ち』からさらに素晴らしくイメージを膨らませ、
静かだけどとっても暖かい萌え萌えSSを贈って頂き、
どうもありがとうございました。

また、挿絵を描かせて頂きました。
『静寂に包まれて知る事』  (挿絵を付けさせて頂いたバージョンです)




さらにイメージを発展させて、勝手な後日談を2つ描かせて頂きました(笑

その1 『ラブラブ!?』

その2 『ゴチン!!』


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