『伝わる想い』




体調を崩し休んでいるアルテナを看病する二人
キリカが桶の水を替える為に席をはずし しばらくするとアルテナは小さく声をもらす

クロエ
アルテナ
「アルテナ?」
「・・・・・・・・・・・・・・」

返事が無いので顔を覗き込むと悪い夢を見ているのかうなされている

クロエ
アルテナ
クロエ
アルテナ
クロエ
アルテナ
クロエ

キリカ
クロエ
キリカ
クロエ
キリカ
クロエ
キリカ
「アルテナ・・・アルテナ・・・!」(肩を揺り動かす)
「・・・・あ・・・」
「アルテナ 大丈夫ですか?」
「・・・ええ 大丈夫です」
「良くない夢を見たのですか?」
「・・・・・・・・憶えていません・・・・」
「・・・・・・・・」

「・・・・・・」(雰囲気の変化に気付き 入り口で立ち止まる)
「あ キリカ お帰りなさい」(近づき 桶を受け取る)
「・・・何か・・あったの?」
「・・アルテナがうなされてしまいました」
「・・え・・・」
「私が気付いて起こしたのですが 以前 風邪をひいた時にもうなされていたので心配です」
「・・・・・・・・」

キリカはアルテナの枕元へ行くとじっと見詰める

アルテナ
クロエ
キリカ
「少し寝苦しかっただけです 二人とも心配しなくても良いのよ」
「・・・・・・はい」
「・・・・・・・・」

クロエはタオルを冷たい水に浸して絞り 横になっているアルテナの額に乗せる
心配そうに見詰める二人を安心させる為 微笑みかけた後 アルテナは少し疲れた様に目を閉じる

クロエ
キリカ
クロエ

クロエ
アルテナ
クロエ
アルテナ
クロエ

「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「!」(何かを思い付いたのか顔を輝かせる)

「アルテナ」
「・・なぁに クロエ?」(目を開けクロエを見る)
「手をつないでも良いですか?」
「・・・何故ですか?」
「手をつないでいればよく眠れると思います」
「体を冷やしてしまうので毛布の中でつなぎましょう」(まぶしい笑顔)

熱の為 とっさに対応出来ないでいるアルテナの返事を待たず
クロエは毛布の中へ手を入れるとアルテナの手に自分の手を重ね 優しく握る

キリカ
アルテナ
クロエ
「・・・・・・・・・・」(ベッドの反対側に移動する)
「どうしたの?」
「キリカ?」

キリカはうつむくと毛布に手を差し入れ アルテナの左手にふれる

キリカ
アルテナ
キリカ
クロエ
アルテナ
「・・・・・・・・」(ぎゅっ)
「・・・・・ぁ・・・・」
「・・・・ずっとつないでいるから・・・」
「ゆっくりと休んでください」
「・・・・・・・・・・・ありがとう・・・」

微かに頬を染めると二人の手を握り返し 微笑む
手の平から伝わる想いを感じながら静かに目を閉じると アルテナは安らぎに身を委ねた


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歩さんよりSS『伝わる想い』を頂きました。

アルテナを心配するクロエとキリカ。
毛布の中でぎゅっと手を握ってもらうアルテナ。
二人に見守られ護られて、アルテナは安らいだ眠りにいざなわれる……
クロエとキリカの想いは繋いだ手を通してアルテナにちゃんと伝わったようですね。
安らぐアルテナがとても幸せそうです。
歩さん、このたびはとってもとってもとーっても素晴らしい癒しのSSを贈って頂き、
どうもありがとうございました。
挿絵を只今製作中です。


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