『たとえばそこに一振りの剣があるとして』


1




在りし日の夕暮れの闘技場。
剣で激しく斬り結ぶ修道服姿の金髪の少女と帽子をかぶった少女、
それを見守る同じく修道服姿の銀髪の少女がいる。

剣を水平に構えて突き合うマレンヌとシスター姿の少女。
マレンヌは剣の角度をわずかに斜にずらし、相手の剣を横にはじく。
体勢のくずれるシスター。
そのままの流れで剣を大上段に振りかぶり踏み込むマレンヌ。
と、くずれた体勢からあえて側面に素早く回り込むシスター。

2
3


『たとえばそこに一振りの剣があるとして』



最初の絵はイメージ的にはマレンヌが最後の戦いに向かう前にて、でしょうか。
もしくは久しぶりに剣で手合わせする二人はふと昔を思い出し、という感じですね。

かつての荘園でのアルテナとボルヌとマレンヌの出会いを私なりにイメージしてみました。
元は24話のクロエとキリカの剣闘なのですが、色々と大運動会のネタも入っています(汗
最初の絵の「あの日の夕日を覚えていますか……?」のセリフはラーリとミランダだし、
ラストの思わず手に汗握るボルヌはほとんどアイラだし(笑

銀のボルヌと金のマレンヌに『出会う』少女アルテナ。
アルテナは既にその頃荘園の少女達のエースになっていたマレンヌと同室になる。
窓際のベッドを取り合って剣で勝負する事になった二人。
ボルヌは気になってついて付いていく。
真剣勝負を通じ『出会った』三人。

 後にアルテナは語っている……
 あの時、私は二人と出会った。
 確かに私はその前から二人の顔と名は知っていた。
 しかしやはり私と彼女達はあの日、互いに『出会った』のだ。

マレンヌはその頃ボルヌ以外では太刀打ちできないくらい既に抜きん出ていたのだけど、
新しく荘園に来たアルテナと決闘する事で、アルテナが自分に近い実力を秘めている
事を知り……というようなお話を考えました(笑
捨て身というか、命知らずな少女マレンヌとアルテナ、というのもいいかなあと。

立ち回りは絵だけだとよく分からないなのかもしれないのですが、
私がイメージしたのはこんな風です。
回り込んだシスターの剣が一瞬早くマレンヌの胴を抜くが、剣はなぜか弾かれる。
マレンヌの衣服の切れ目から覗く胴鎧。驚くシスター。
マレンヌはそのまま剣をシスターの頭に振り下ろす。しかしこれもなぜか弾かれる。
そのシスターのかぶっていた帽子の返しには鉄甲が仕込まれていたのだ。
剣の衝撃を受けて頭からずり落ちる帽子。
パラリと髪をなびかせるシスター……アルテナ。
無言で互いを見つめ、ゆっくりと立ち上がる二人。
こんな感じです。

二人ともまだ腕が未熟なので寸止めが出来なかったとか(笑
だから真剣勝負だと剣を振り抜いてしまう……だったり。
でも二人とも目がすごくマジだ!
多分殺る気だった! 
……かどうか分かりませんが(笑)、
闘技場で戦うクロエとキリカも目がマジだけど寸止めしてるし、
多分荘園の人達は互いに戦う時でも目がマジになる体質なのでしょう(笑
「例え訓練といえども殺す気で戦え」が荘園の信条なのかもしれません。
そんな戦う時にマジ目つきで殺気を放ちまくりの荘園メンバーズが私はとても衝撃的で、
それと、戦い以外の場での深い愛情表現が相まっていることもあって、
私は荘園メンバーズが大好きだったりします。


初めは頭に向けて撃たれた銃弾や剣を紙一重か、頭の鉄甲にかすめながら
かわして突っ込むアルテナ、というのを描きたかったのですが、
どうせなら相手はマレンヌがいいと思い、そうすると、アルテナの剣もマレンヌの胴鎧に
ガードされるわけで、そこでマレンヌの胴鎧は既に周知なので、どうせならアルテナの
鉄甲仕込みの帽子のネタバレは後にやったほうがインパクトがあってと考え、
アルテナの剣が一瞬早く先に届く、という順番になったわけです。

これらの絵は突然イメージが湧いたので勢いで一気に描いてしまいました。
まだラフ絵なので後で漫画っぽく描き直す予定です。
でもアクションは私はすごく描きにくいなあと実感しました(笑


絵や漫画に戻る

NOIRのコーナーに戻る

トップに戻る