『ピクニック続き〜密かな楽しみ〜』




結局キリカが起きるまで二人を抱っこし続けたアルテナ
まだ少し酔いの残っているキリカの手を引き 建物へと戻って行くクロエを見送った後
視線をシートの上に戻すとサンドイッチはすでに無く ワインも飲み尽くされていた

アルテナ
マレンヌ
アルテナ
ボルヌ
「・・・・・・・・・・・・」
「アルテナ どうかしましたか?」
「・・・いえ 別に・・」
「では そろそろ片付けを始めますよ」

数時間後 私室で本を読んでいたアルテナは立ち上がると台所へ向かう
棚を探しサンドイッチに使われなかったパンを見付けると 微かに笑みを浮かべ 手に取る











ボルヌ
アルテナ
ボルヌ
アルテナ
ボルヌ
アルテナ
ボルヌ


アルテナ
ボルヌ
アルテナ
ボルヌ
アルテナ
「アルテナ」
「・・?!」(振り返る)
「このような所で何をしているのですか?」
「・・・・・・何もしていません」(そーとパンから手を放す)
「パンを手にしていましたが もしやあなたは空腹なのですか?」
「・・・・・・・・・・はい」
「・・いいですか アルテナ あなたは私達の盟主なのですよ
そのあなたが棚を覗き パンを見付けて嬉しそうに微笑んでいる所を
付き従う者達に見られたらどうするのですか」
「・・・あなたは何時からそこにいたのですか?」
「あなたが棚の扉を開けた時からです」
「・・・・見ていたなら黙っていないで声を掛けてください」
「早い段階で声を掛けてしまってはあなたの驚く顔が見られないではありませんか」
「・・・・・・・・・・・・・」





マレンヌ
ボルヌ

マレンヌ

ボルヌ
アルテナ
ボルヌ

マレンヌ
ボルヌ
アルテナ
「声がするので来てみたら・・・二人ともこんな所で何をしているのですか?」
「ああ マレンヌ アルテナがこっそりパンを食べようとしていた現場を
押さえていたのですよ」
「・・パンを?」
「そう言えば あなたはピクニック中 ほとんど食べていませんでしたね」
「そうだったのですか アルテナ?」
「ええ 両手が塞がっていたので・・・・」
「二人を抱き締めていたので食事が出来なかったのですね!
まさに慈母 素晴らしい親ばかぶりです」
「夕食まで空腹を耐えるのは過酷な試練です まだ材料はあるので何か作ります」
「私も手伝いましょう アルテナ あなたは座っていてください」
「・・・はい」

椅子に腰掛けて少し経つとマレンヌがサンドイッチを ボルヌがワインとコップを持って
戻って来る

マレンヌ
ボルヌ
アルテナ

マレンヌ
ボルヌ
「アルテナ 出来ました」
「ワインも持ってきましたよ」
「ありがとう」(祈りを捧げてから一口食べる)
「美味しいわ ボルヌ マレンヌ」
ヌ「口に合ったようでなによりです」
「腕を振るった甲斐がありますね」

食事を続けるアルテナ 気が付くと二人がじっと見詰めている

アルテナ
ボルヌ
マレンヌ
アルテナ
「どうしたのですか?」
「何でもありませんよ アルテナ」
「ええ 何でもありません」
「・・?」





その日の夜 部屋を出たマレンヌは廊下でボルヌと出会う

ボルヌ
マレンヌ
ボルヌ

ボルヌ
マレンヌ
「見回りに行くのですか?」
「ええ」
「では 私も付き合いましょう」(並んで歩き出す)

「・・・昼間 食事をしているアルテナを見ていましたね 何故ですか?」
「おそらく あなたと同じ理由です」

         −しばし沈黙−

ボルヌ

マレンヌ
ボルヌ

マレンヌ
「アルテナとは長い付き合いですが
サンドイッチを両手で持って食べるとは知りませんでしたね」
「・・我が目を疑いました」
「オチャメな所があるのは知っていましたが あれは予想外でした
ギャップがあり過ぎるので 配下の者達に知られてはなりませんね」
「ええ なんとしても隠し通さねばなりません」

         −再び沈黙−

マレンヌ
ボルヌ
「でも ボルヌ 私達だけで出かける時の食事は・・・」(にこっ)
「もちろんサンドイッチですよ マレンヌ」(にっこり)






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歩さんより

最近私の中でボルヌがどんどん地雷踏み係になっています。
何気にアルテナがオチャメさんになっていますが「お母さん」とか「策士」をしていない時は
けっこうかわいい所があるんじゃないかなぁーと思っています。そう思うのって私だけでしょうか?
こんな二人のストッパーを担当しているマレンヌは出番があまりありません。(ゴメン、マレンヌ)

照れて困っているアルテナも好きですがボルヌとマレンヌにさり気なく遊ばれている
アルテナちゃんにも萌えてしまう私はアルテナモーエとして更なる高みを目指すしか
道は残されていないようです。

アルテナが両手でサンドイッチを持つのは挟んである具をこぼさない為だったりしますが
第三者から見ると小動物っぽくてラブリー。(笑)
アルテナに育てられたクロエやキリカも同じように食べているとかわいくてよいかもしれません。

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管理人の感想

棚にパンを見つけて微笑するアルテナ……
両手でサンドイッチを持って食べるアルテナ……
想像したら妙に可笑しくなりました。アルテナ、お茶目さんですね。
私もアルテナには子供っぽい所があるなあと思っていました。
そんなアルテナの可愛いところを見逃さないボルヌとマレンヌ。長年の付き合いがそうさせるのでしょうか。
そして二人は新たなる野望に目覚めるのであった……
このピクニックの続きにもぜひ絵を描かせてください。
ピクニック、ピクニック続き。
荘園の人たちの何気ない日常、何気ないやりとり、とてもほのぼのしたお話ですね。
このたびは素敵なネタSSを贈っていただき、どうもありがとうございました。



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