『策謀という名の愛』


ボルヌとマレンヌに勧められてワインを一口飲んだアルテナは味に違和感を覚える

ボルヌ
アルテナ
ボルヌ
アルテナ
ボルヌ
マレンヌ
アルテナ
ボルヌ
アルテナ
マレンヌ
ボルヌ
アルテナ
ボルヌ
アルテナ
マレンヌ
ボルヌ
アルテナ
ボルヌ

アルテナ
マレンヌ
ボルヌ
アルテナ
ボルヌ
アルテナ
マレンヌ
ボルヌ
アルテナ

ボルヌ
マレンヌ
アルテナ
マレンヌ
ボルヌ
マレンヌ
ボルヌ
アルテナ
ボルヌ
アルテナ

マレンヌ

アルテナ
ボルヌ
マレンヌ
アルテナ
ボルヌ
アルテナ
ボ&マ
ボルヌ
マレンヌ
「どうしたのですか アルテナ?」
「・・ワインに何を入れたのですか?」
「中世に習い 蜂蜜を少し入れてみたのですが・・口に合いませんでしたか?」
「私はそれ以外に入れた物について訊ねています」
「・・・思ったより早く気づかれてしまいましたね」
「もっと味を誤魔化せる物に入れるべきでした」
「私に何を飲ませたのですか?」
「サトラレになる薬を少々・・」
「サトラレ?」
「考えている事が周囲に伝わってしまう能力を持つ者をこう呼ぶそうです」
「この薬を服用すれば数日間サトラレになる事が出来るのですよ アルテナ」
「・・・私はなりたくありません」『絶対に』
「・・薬が効いてきたようですね」
『・・え・・・?』
「少量しか飲んでいないので効果がどれくらい持続するのか不安です」
「急がねばなりませんね アルテナ 訊きたい事があります」
「何ですか?」『嫌な予感が・・』
「あなたはいつもクロエやキリカの頭をなでていますが
 自分もそうされてみたいと思っているのではありませんか?」
「いいえ 思っていません」『どうしてそれを・・』
「やはり思っていたのですか」
「実は木陰で膝枕をされてまどろんでみたいとも思っていますね?」
「・・思っていません」『・・・表情に出ていたのでしょうか・・』
「表情には出ていませんでしたが長い付き合いなのでそれくらい分かります」
「・・・・・・」『分かるのなら何故こんな薬を飲ませるのでしょう』
「いつものあなたに分かっていると言っても否定されてしまいます」
「けれど 考えが伝わってしまう今なら秘めた思いを口に出来るのではありませんか?」
「・・・秘めた思いなどありません」
『他の事を考えて薬が切れるのを待つしかありませんね』
「・・・・しぶといですね」
「作戦の第二段階を強行せねばなりません」
「・・何をするつもりですか?」
「あなたが望んでいる事を実行します」
「まずは頭をなでましょう」
「膝枕をしながらなでるべきか 腕枕をしながらなでるべきか・・」
「アルテナ どちらがいいですか?」
「・・どちらも遠慮します」『・・・腕枕だと添い寝・・ぁ・・考えると・・・』
「腕枕がいいのですね では お休みのキスはどこにされたいですか?」
「・・されたくありません」
『・・・頬だと二人から・・・・もしかしたら今のも伝わってしまったでしょうか?』
「伝わっています 左右の頬ですね」
「眠る時に聞くのはお話と子守歌のどちらがいいですか?」
「どちらも必要ありません」『・・・どちらでも・・』
「どちらでもいいのですか・・どうしますか マレンヌ?」
「二人で出来る子守歌がいいでしょう」
「・・・・・・」『・・・本当にするつもりなのでしょうか・・?』
「ええ 躊躇せず実行します ではベッドへ行きましょうか?」
「・・・私は一人で休みます」『・・・・もう子供ではないのだから・・・』
「・・・・・・」
「・・マレンヌ」
「分かりました」

マレンヌは椅子から立ち上がりアルテナの傍らに立つと その体に素早く腕を回して抱え上げる

アルテナ
マレンヌ
アルテナ
ボルヌ

アルテナ
マレンヌ

ボルヌ
「マレンヌ・・?!」
「動かないでください バランスを崩してしまうと危険です」
「ですが・・」『この体勢はとても恥ずかしいのですが・・・』
「あなたが照れているのは分かっています けれど抵抗してはなりませんよ アルテナ
 マレンヌが困っているではありませんか」
「・・・・・・・・・」『困っているのはマレンヌではなく私です』
「指示に従わないと今以上に困ることになります
 あえて困難に立ち向かうというのなら止めはしませんが・・」
「どうしますかアルテナ 抵抗を続けますか? それとも大人しく寝室へ運ばれますか?」



     −翌朝 アルテナの寝室−

ボルヌとマレンヌはアルテナの穏やかな寝顔を見詰めながら小声で言葉を交わす

ボルヌ
マレンヌ
アルテナ


ボ&マ
アルテナ
ボルヌ
アルテナ

マレンヌ
ボルヌ
アルテナ
ボルヌ
マレンヌ
アルテナ


ボルヌ
アルテナ
ボルヌ
マレンヌ
アルテナ
ボルヌ
マレンヌ
ボルヌ
マレンヌ
アルテナ
ボルヌ
アルテナ
「結局 アルテナは思いを口にしませんでしたね」
「少しは言ってくれるかと思ったのですが・・流石に手強いです」
「・・・・・」
「・・・・・・」
『どうしてボルヌとマレンヌがここに・・・ぁ・・昨夜は二人に寝かしつけられて・・・』
「おはよう アルテナ」
「・・・おはよう」『顔を覗き込まないでください・・』
「今朝は冷えますね」
「ええ」『それほど寒くはないのだけれど・・二人が傍にいるからなのでしょうか?
 あ・・思っている事が伝わってしまうのだから考えないようにしなければ・・・』

「そろそろ起きないと朝食に遅れてしまいます」
「服にシワが・・やはり着替えてから横になるべきでした」
『・・・もうあの薬の効力はなくなっているのでしょうか?』
「いい天気なので今日は洗濯をしましょう」
「少し風があるので早く乾きそうです」
『伝わっていないようですね』
『・・・少し寂しい様な気もしますが 手をつないでみたいと思っている事や
 抱き締められたいと思っている事を知られたくはないのでよかったのかもしれません』

「・・・なるほど」
「・・ボルヌ?」『・・もしかして・・・』
「私とマレンヌがいるから寒くないのですね アルテナ?」(にこり)
「そして サトラレないと少し寂しく感じるのですね アルテナ?」(にこり)
「あなた達は・・」『・・・全部伝わっていたのに気づかないふりをしていたのですか・・』
「こうしないとあなたは思いを伝えてくれませんから」
「では 着替えてから手をつないで食堂へ行きましょう」
「午後は膝枕をしながらお話をするので抱き締めるのは夜ですね」
「楽しい一日になりそうです」
『・・・・楽しいというより・・・』
「楽しいというより?」
「・・・忘れられない一日になりそうです」『色々な意味で・・』


fin








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歩さんよりSS『策謀という名の愛』を頂きました。
ボルヌとマレンヌのおもちゃ状態になってしまい、さとられまいとしつつも片端からさとられてしまう
サトラレアルテナが可愛いです。
陰謀のボルヌとマレンヌの巧妙な質問波状攻撃にアルテナの心の城壁があえなくどんどん突破されて
いってしまっていますね(笑 ボルヌの「……しぶといですね」の一言がすごく好きです。
おとぼけな二人に騙されてついつい本心を思ってしまううっかりアルテナさんも。
でもそのおかげでアルテナも秘められた想いを伝える事が出来て(アルテナの意思には関わらず(笑))、
よかったのかもしれません。アルテナ、忘れられない一日をたっぷりと楽しんで過ごしてください(笑
歩さん、このたびも可笑しいほのぼのSSを贈って頂き、どうもありがとうございました。
挿絵も只今制作中です。


サトラレネタ関連はこちらです。

『夕食前は葡萄味』(作:歩さん)

『サトラレクロエ』


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