荘園で行なわれた、とある試験でアルテナはまたしても追試をくらってしまう。
ショックなアルテナ。
本来追試の通知は試験翌日の朝、本人の私室のポストに入れられるので、
本人(と相部屋の場合はその同期生)以外は追試実行日まで知る由もないはずなのだが、
アルテナが通知書を受け取ってショックで落ち込んでマレンヌに励まされている所を誰かが
見たのであろう、昼には多くの者がアルテナまたしても追試のニュースを知っていた。
落ちる方がおかしいと言われるその試験での追試決定者に周りの同期生の目は厳しい。
昼の食堂で「あの子また追試だったんですって」とあちこちでささやかれる。
縮まるアルテナ。
見かねたマレンヌはテーブルに駆け上がり……


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……さらに縮まるアルテナ。

ボルヌは静かにお茶をすすっている。
「ふ、何を騒いでいるのか……」

昼食が終わると、ボルヌは私室に向かい扉を閉める。
窓の外を見やるボルヌ。広がる緑と紫の葡萄畑はいつも瑞々しい。
食後に窓際で休憩を取り、外の風景で目を楽しませるのはまさに洗練された者のみが
知る悦楽であろう。ボルヌはいつもそう思う。

ポケットの携帯電話の呼び出し音がいきなりその静かなひと時を破る。
まったく、なんという無粋な……
「はい、ボルヌです」
電話の向こうから低くしわがれた老婦人の声が聴こえる。

私は昨日誇り高き我が一族の歴史を調べました。
 この千年で追試を受けるのは、あなただけです

「……」

あなたはこの……の孫娘です。その孫娘が、こんな駄目子ちゃんとは……泣け

電話の向こうから何やら大勢の女性の泣き声が聞こえる。

「……」

うう、あなたは一族の面汚しです、ううう……やめ

騒がしい泣き声達がぴたりとやむ。

もし、今度の追試で一番になれなかったら……

「……」

もしもしもしもし、聞いているのですかボルヌ!?

「……」

ああ、なんて青い空なんだろう。
ボルヌは韜晦していた。


次回NOIR「ボルヌアタック!」をお楽しみに!               (続かない(笑))






マレンヌ
ボルヌ
クロエ
キリカ
アルテナ
クロエ
アルテナ
ボルヌ
アルテナ
「……というわけだったのですよ」
「また昔の事を……」
「……アルテナ(笑」
「……ふっ」
「このような事実はありません」
「本当ですか?」
「はい。これも合成写真です。ソルダの陰謀です。荘園の七不思議です」
「ククク」
「……」






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『追試』


元ネタはバトルアスリーテス大運動会です(汗

こんな荘園シスターズもいいかなあと思っています。
アルテナは初めから優秀であったわけではないんじゃないかなあと思います。
荘園で訓練しているうちに次第に才能を開花させていったのではないかと。
アルテナはピンチの時に稀にキレてすごい動きを見せるだけで、いつもはかなりボンクラ
だったとか。
マレンヌは初めの決闘?( 「たとえばそこに一振りの剣があるとして」 )でアルテナと
打ちとけて何かと世話を焼いたり。
ボルヌははたから見ていて、アルテナの才能の片鱗になんとなく気づいていて、
マレンヌとアルテナの凸凹コンビに触れるたび、いつも冷静沈着だと思っていた自分に
意外な熱い血がたぎるのを感じたり、とか(笑


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